本屋の終わりの始まり

 TSUTAYAに行ってきた。発作的に行きたくなったのだ。

 自転車で遠路30分。汗みずくになってようやく辿り着いた。

 田んぼが広がる一帯にTSUTAYA市原五井店はある。

 とにかく店舗面積が広い。

 大量の書籍・コミック・DVD・CD・文房具が陳列されている。

 最初は「たくさん商品があって便利だなぁ」と思ったが、店内を歩いているうちに印象が変わってきた。

 まず第一に商品点数が多すぎて、商品を選ぶにエライ苦労するのである。

 さらにいくら店舗が広いとは言え、店舗面積は有限である。従って、回転率の良い(売れる)商品しか置いていない。私は苦労して店内を歩きまわったあげく、商品が見つからなくてキレてしまうかと思った。



 Amazonに慣れた人間にとって、実店舗の価値は限りなくゼロに近い。Amazonなら商品点数は膨大、検索は一瞬、中古品は数百円から売っている。

 インターネットの普及期には、街の小さな本屋がバタバタと潰れていった。今後も本屋・レンタルビデオ店は減少していくだろう。

 実際、私が住む市原市にはTSUTAYAが2店舗しかない。もはや風前の灯火である。

テーマ : 書店
ジャンル : 本・雑誌

【読書】オズの魔法使い【感想】

 童話なのだが、読んだあとに何かモヤモヤとしたものが心に残る。

 例えば、冒頭。

 主人公・ドロシーの故郷はカンザスなのだが、そこの描写が酷く陰惨なのだ。



 “どっちを向いても灰色の大草原”

 “太陽が耕地をからからにして、小さなひびの入った灰色の土地にしてしまいました。草でさえ緑色ではありませんでした。太陽は他のどこでもと同じぐらい灰色になるまで、長い葉の表面を焦がしてしまったのです。いちど家に色を塗っても、太陽がペンキをぶかぶかにして、雨が洗い流してしまい、今では他の何もかもと同じぐらい灰色で退屈になってしまったのでした”

 “おばさんの目から輝きを奪って、地味な灰色にしてしまいました。おばさんの頬と唇から赤みを奪い、それも灰色にしてしまいました。おばさんは細くやつれて、今では決して笑わないのでした”

 “ヘンリーおじさんは決して笑いませんでした。朝から晩まで懸命に働いて、喜びが何なのかを知りませんでした。おじさんも長い髭から粗いブーツの先まで灰色で、頑固でまじめくさった顔をして、めったにしゃべりませんでした”



 ワクワクするようなお伽話を期待している読者は肩透かしを食らうだろう。

 暗いカンザスの様子が描かれたあと、ドロシーは竜巻によって異世界に飛ばされてしまう。

 ドロシーは異世界の住人に対して次のような台詞を言う。

 “あたし、どうしてもおばさんとおじさんの所(カンザス)へ戻りたいの”

 冒頭におけるカンザスのネガティブなイメージは言及されない。

 そして、カンザスへ戻るというドロシーの決意は物語の最後まで変わらない。

 主人公ドロシーが帰りたがっているカンザスが、なぜ陰鬱に描かれているのか。

 疑問に思ったのでWikipediaで調べてみた。

 どうやら当時のアメリカの政治情勢を反映しているらしい。

 詳しく知りたい人は本作を読んでみよう。青空文庫で読めるよ。

テーマ : 読んだ本の紹介
ジャンル : 本・雑誌

拙著が「文芸社 冬のスペシャルコンテスト 特別賞」を受賞

 地下鉄サリン事件を題材にした拙著『バビロンのメトロ』が賞を頂いた( http://www.fit-connect.jp/bunka/tinami/2012_02_001/?waad=SnKgM1Kf )。

 出版社から出版を打診された。



 私「自費出版ということですが、いくらくらいかかるの?」

 編集者「100〜200万くらい」



 無職者の私にそんなカネは無い。

 出版は丁重にお断りした。

 ちなみに、受賞賞金として1万円が貰える。

 このカネで新しいスーツを買って就職活動に励みます、ハイ。

テーマ : 文学・小説
ジャンル : 小説・文学

ヲタ二病(おたにびょう)

 ヲタクを2年くらいやってるとかかる病気。

 以下、よく見られる症例。



 ・ロクにシリーズ見てないくせに、「ガンダムはやっぱり初代だよね」とか言い出す。

 ・ロボットアニメを見て「CGはダメだな。セルアニメーションじゃなきゃ。板野サーカス! 納豆ミサイル!」とか言い出す。

 ・聞いてもいないのに東映版Kanonをdisり始める。

 ・日常会話で「うぐぅ」「がおっ!」「あんぱん!」をやたらと使う。

 ・岡田斗司夫を槍玉に挙げて「これだからヲタク第一世代は……」と文句を垂れる。

 ・宇宙戦艦ヤマトをナショナリズムの観点から論じ始める。

 ・3次元の女には興味が無いと言いつつも、腐女子のことはちょっと気になっている。

 ・アニメ本編よりEDクレジットの方が気になる。

 ・AKBヲタと混同されると激怒する。

 ・脇役にベテラン声優が起用されていると興奮する。 

 ・ハルヒ、デスノート、マクロスF、けいおん!あたりを新参ホイホイアニメだと決め付ける。

 ・アニメ実写化にはキレるが、舞台化は生暖かい目で見守る。

 ・好きなアニメがゲーム化されると、「どうせ初動でしか売れないだろ」と言いつつもちゃっかり買う。

テーマ : ヲタク人日記
ジャンル : アニメ・コミック

【映画】ダークナイト【感想】

 日本でのダークナイトの興行収入はサッパリだったと、町山智浩が言っていた。

 バットマンの新作なのになぜヒットしなかったのか、ずっと私は疑問に思っていた。

 映画を見てその疑問が氷解した。キリスト教圏向けの作品なのだ。

 劇中での悪役はヒース・レジャー演じるジョーカーということになっている。

 しかし、ジョーカー自身は悪事を働かない。

 ジョーカーは他人をそそのかして悪事をさせる存在である。聖書におけるサタン(アンチ・キリスト)である。

 非キリスト教圏の人間にはサタンがどういうものかよく分からないだろう。

 善悪が本作のテーマだ。

 善悪の観念ならどこの文化にもあるが、本作におけるそれは「全能の神が作った世界になぜ悪が存在するのか」というものだ。これを神義論という。

 映画の序盤は神義論的展開をみせる。悪が例外的状態として描かれる。ジョーカーに象徴される悪に、正義が勝つ結末を観客は期待する。

 しかし物語が進むにつれ、事態はジョーカーの策略通りに発展していく。

 最後は善の象徴だった地方検事が悪に堕ちてしまう。

 ジョーカーが繰り返す問いかけは「なぜこの世に善が存在しうるのか」というものだ。逆神義論である。

 ジョーカーの勝利とヒース・レジャーの怪演により、観客はこの逆神義論について深く考えさせられる。鑑賞後、しばらくはジョーカーのことが頭から離れない、そんな作品だ。

テーマ : 洋画
ジャンル : 映画

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グーテンベルク

Author:グーテンベルク
 グーテンベルクと申します。同人小説を書いています。
 同人活動に関してはホームページ「グーテンベルクの印刷所」をご覧ください。
 このブログでは同人や小説といったテーマにとらわれず、日記を書いていこうと思います。

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